スタッフ
- 教授 若狭 雅信
- 准教授 矢後 友暁
研究内容
- 磁場で化学反応は変わると思いますか?
- 光化学反応を直接見たことはありますか?
世の中には,磁場(磁石)を利用した製品がたくさん販売されています。しかし,それらのうちのいくつかは,科学的に根拠のないものであったり,実証試験に疑いがあったりします。これに対して,我々は,真に科学的(量子化学的)現象である,ラジカル対のスピン状態の変化を利用した,化学反応の磁場効果の研究を,光化学反応を対象に行っています。
化学反応用としては世界最高磁場を発生できる30テスラパルスマグネットとナノ・ピコ秒パルスレーザーを用いて,30テスラ超強磁場下でレーザー光を吸収した物質(分子)が,化学反応を起こして変化していく過程を,マイクロ秒の時間領域で直接観測をしています。磁場をかけることで,生成物の量が数倍になったり,半分になったりします。
最近注目されている光触媒反応の反応効率や有機ELの発光強度も磁場によって変化します。また,ナノサイズの細孔をビーカーにみたて,ナノ細孔中で光反応を行うと,大きな磁場効果が観測できます。さらに,信じられないかもしれませんが,磁場中で光反応を行うと,同位体濃縮が起きます。これまで,我々は,ケイ素-29,硫黄-33,ゲルマニウム-73の同位体濃縮に成功しました。
研究課題
- 30T超強磁場下での磁場効果
- Singlet Fissionの磁場効果
- 光触媒反応の磁場効果
- ナノ細孔中での光反応と磁場効果
- 磁気同位体効果による同位体濃縮
- イオン液体の科学