スタッフ
- 助教 古川俊輔
2023年春に発足した研究室です。私たちは、分子を操ることでナノメートル(0.000000001メートル)の世界で情報を蓄積したり、並べたり、観測したりすることをミッションとしています。分子レベルで量子情報を制御することで、既存の量子コンピューターが不得意とする煩雑な演算が高速でできるようになります。
研究内容
- 新しい有機合成反応の開発
- 量子情報制御のための分子創製
- 分子のリアルタイム動画撮影
最近の研究から
分子の幾何学的特徴を活かしたメモリを開発しました1。お椀の形をした分子は、お椀の凹面と凸面を区別することができます。この幾何学的特徴をコンピューターで使われる二進法(0か1か)に充てがうと、分子レベルのメモリになります。プラス/マイナスの電界で、0/1の状態をそれぞれ保持でき、書き換えることもできます。このようなお椀型の分子を自分たちでデザインし、ときにはその作り方(合成法)自体も開発しています2,3。
- Furukawa, S.; Wu, J.; Koyama, M.; Hayashi, K.; Hoshino, N.; Takeda, T.; Suzuki, Y.; Kawamata, J.; Saito, M.; Akutagawa, T. Nat. Commun. 2021, 12, 768.
- Furukawa, S.; Suda, Y.; Kobayashi, J.; Kawashima, T.; Tada, T.; Fujii, S.; Kiguchi, M.; Saito, M. J. Am. Chem. Soc. 2017, 139, 5787.
- Furukawa, S.; Kobayashi, J.; Kawashima, T. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 14192.