●教育の理念と目標
次のような目標のもとに教育をおこなっています。
●カリキュラム編成の特徴
この目的を効果的に達成するため,以下のような点に留意してカリキュラムを編成しています。
●専門科目にみる基礎化学科学生の4年間
現代の化学には多くの専門分野があります。学部の4年間でこれらの全てを教育することは不可能なので,教育課程を精選しています。専門科目を通して学部学生の4年間をみてみましょう。
広域科目,外国語科目,体育科目と平行して,化学の基礎教育がはじまります。高校までの知識と異なる新しいイメージで化学をとらえ演習を通して定着させる「基礎化学」,化学を学ぶために必要な自然科学の基礎として「代数及び幾何」「微分積分学」「基礎物理学」,化学の系統的専門科目の入門編として学ぶ「物理化学」「無機化学」「有機化学」そして化学実験法の基礎を修得する「化学基礎実験I」。いずれも必修科目です。このように精選された必修科目を履修することにより,化学の学習に何よりも必要な基礎知識の習得をします。
講義では,物理化学,無機・分析化学,有機化学の3つの大きな系列を,系統的に学びます。また,物質の科学である化学のトピックスを各教官が専門分野について解説する「物質科学」では,現代の化学の最先端に触れることができます(ほとんどが必修科目)。さらに進んだ専門の化学を学ぶ選択科目も一部始まります。
2年前期の「物理学実験」は選択科目ですが,基礎化学科の学生向けに高校で物理を選択していなくても履修可能な内容になっていて,化学に必要な技術も多く盛り込まれています。2年後期の「化学基礎実験II」,3年の「合成・解析化学実験」と,実験が1年半にわたって必修科目として課せられ,化学実験の面白さや不思議さを体験するとともに,卒業研究などを遂行するための基礎的技術を身につけることになります。
この期間は修得する内容が豊富で変化に富んでいますが,化学に対する興味が倍加してくる時期でもあります。ここでしっかり勉強しておくことが真の実力を涵養することにもつながっていきます。
必修科目が一部ありますが,専任教員の専門分野に関連する知識を修得するために選択科目を主に履修します。
「英語化学文献講読」では,現代の主流である英語の化学論文を読みこなす力を身につけます.他大学からの教授陣による講義として,夏季・冬季休業の前後に集中的に開講される「化学特論」があります。化学の分野は広く,その全てを専任の教官陣が担当しきれないため,放射化学、有機立体化学などのほか,最新のトピックスも選定して講義が行われています。
各自が希望する専門分野の研究室で,将来,化学やその周辺の科学にたずさわる者になるための,最も充実した貴重な1年間を過ごします。
「卒業研究」では,一つの研究課題に取り組み,結果を出してそれを考察していく方法を,個別指導しています。基礎化学科には最新鋭の分析機器やさまざまな測定機器が多数設置されていて,ネットワークを通じて研究に有効に利用されています。このような機器の動作原理や操作を学ぶことも大事な学習の一環となっています。
「論文輪講」では,英語で書かれた論文を説明したり,原書を講読します。これらの経験が“研究報告書の書き方”や“学会での発表”の基礎訓練につながります。この期間は日夜卒業研究に没頭するだけではなく,研究室の一員として教員,先輩や仲間たちとの毎日のつきあい,レクリエーションや旅行などを通じて自分の人間性を鍛え磨く時期でもあります。卒業研究の発表会を終えると,まもなく卒業です。
●学生生活
毎年,4月当初には各学年向けの公式のガイダンスを行っています。また,非公式ながら2〜4年次学生がそれぞれ新1年次生と懇談の機会をもうけているので,その中でカリキュラムなどについて先輩からのアドバイスも受けられます。
教務担当,教育実習担当,就職担当の教員などが相談に応じます。4年次で研究室に配属された学生は,指導教員や先輩の大学院生が個別の指導を行っています。
基礎化学科は伝統的に先輩と後輩の交流が密接なので,教員との面談よりも,学生同士の情報交換が有効に作用しているようです。
学生生活における精神面での悩みや身体の健康については本学の保健管理センターが有効に利用されています。
研究室に所属されている学生については,その指導教員が担当しています。また,学科長や就職担当教員も相談にのってくれます。